内緒だよ

リニューアルに当たってなんかカッチョいいブログ名にしようと思ったけど、ぼくのブログとしか言いようがないや。

アクアパッツァ

先日アクアパッツァを初めて食べた。
と思ったら既に食べたことある食べ物だった。
アクアパッツァという名前とあの食べ物が頭の中で繋がってなかった。
昔からある食べ物じゃん。母親が料理教室で習ってきて割と日々のラインナップに入っていたぞ。普通にイタリア料理を食いにいったときもあったし。アクアパッツァアクアパッツァって最近よく聞くから最近の食べ物だとてっきり思い込んでいた。アクアパッツァ。つまりアクアパッツァと知らずにアクアパッツァを食べたことは沢山あったんだけど、アクアパッツァという名前を意識して食べたアクアパッツァは初めてだった。
アクアパッツァって響きからあれは想像できないでしょ。アクアパッツァだよ?
多分アクアパッツァって聞くたんびオシャレな洋風の透明トコロテンのような、火で軽く炙ったシュワっとしたトマトとなんか名前のよく知らないワインによく合うサラっとしたチーズで出来た食べ物を想像してたんだけど、本当のアクアパッツァは結構北欧の郷土料理っぽいものだった。ステラおばさんが作ってそう。ぼくの想像のアクアパッツァは多分、アクアからの水の連想とパッツァのパスタとピッツァの連想から来てるんだけど、そのアクアパッツァも実は本物のアクアパッツァを知ったあとに、こうだったけなあと思い返しながら描写したアクアパッツァで、かつてのアクアパッツァはもう消えてなくなってしまった。
ああ、麗しのアクアパッツァよ……!
俺はもう君のことは知っていたんだ。知らなかったのは名前だけ。敵なのは、アクアパッツァという名前だけ。たとえアクアパッツァでいなくても、アクアパッツァアクアパッツァのまま。アクアパッツァ…なんでそんな最近ですって顔をするんだい?アクアパッツァとぼくの仲じゃないか。アクアパッツァ――それが、どうしたという? 手でもなければ、足でもない、腕でもなければ、顔でもない、他のどんな部分でもない。ああ、何か他の名前を付けてくれ。名前にどんな意味があるという? バラという花にどんな名前をつけようとも、その香りに変わりはないはず。アクアパッツァだって同じこと。アクアパッツァという名前でなくなっても、アクアパッツァの味は変わらない。そんなに美味しくはない。不味くもないが。イタリアン好きだから割と好きか?
アクアパッツァ